「ニキビは思春期の子に出来るもの」というイメージは多くの人が持つものですが、最近の日本を見ると必ずしもニキビは若い人だけのものでは無くなってきました。
と言うのも夜遅くまで働いて翌朝早くに起きるという生活をしている人がかなり多くなり、また食生活が外食寄り、洋食寄りのスタイルになってきたこともあって、ニキビに悩む大人がかなり見られるようになってきているのです。
さて、ニキビだけで治れば何も問題は無いのですが、それが困ったことになってしまうのが痕になってしまった場合です。
まるで皮膚の奥に黒いインクでも流し込んだかのような状態になってしまうと毎朝鏡を見るのも気が重くなってしまいますし、高額な費用をかけて治療するなどの事態になりがちです。
しっかりケアで痕を残さず治せるニキビ
しかしながらニキビはしっかり治せば痕を残さず綺麗に直るものなのですから、スキンケアのためにも「ニキビ痕が出来る要因」をしっかり押さえておきましょう。
ではどうしてニキビ痕は出来るのかと言うと、まず軽く赤みが残る程度のものに関しては「毛細血管の再生」と「血液による色素沈着」の二つが大まかな要因になります。
毛細血管の再生に関してはニキビが発生してしまった場所が受けたダメージを修復するためにその部分に集中的に毛細血管が増えてしまうというのがそのメカニズムになっており、毛細血管が集中するために血液が透けて赤く見えるというようになります。
血液による色素沈着もわかりやすく、これは皮膚の炎症が真皮層まで及んでしまったことで血管が破壊され、その血液が周辺の組織に流出、血液の中に含まれるヘモグロビンが酸素を喪って変色し、色がこびりついてしまうということになるのです。
続いて黒く残る痕についてですが、これは簡単に言ってしまえばシミのような状態です。
ニキビ痕ができる要因
人の皮膚にニキビが出来てしまった場合には皮膚で増殖したアクネ菌を殺菌するために活性酵素が作られることになるのですが、この活性酵素が発生すると今度は「活性酵素が身体に増えすぎている」ということで、活性酵素の働きを抑えるホルモンが分泌されていきます。
活性酵素もそれを抑えるホルモンも、それぞれは人の体を守るために重要な物となっているのですが、しかし活性酵素を抑えるホルモンは同時にメラノサイトと呼ばれる色素細胞を刺激することになります。
そうなると刺激を受けたメラノサイトは「皮膚を守るために色素を出そう」と判断してメラニン色素を出してしまい、このメラニン色素が残ってしまうと、皮膚が黒く見えると言うようになってしまうのです。
悪化する前に皮膚科へ
全体を見れば赤みのある痕に関しては適切なスキンケアを行ってターンオーバーを促進していけば改善できる可能性が高いのですが、黒い痕に関しては家庭だと残念ながら美白化粧品で色を目立たなくする程度しか出来ません。
そのためもし黒いニキビ痕が出来てしまった場合には、悪化する前に皮膚科に通って治すようにしましょう。